被害者Aさんの証言「ぼくたちは、いつもそこにいたんです…。彼がここへ来てもう4年。こんな日が来るなんて、
夢にも思っていませんでした…」
被害者Bさんの証言「ぼくは、実際に被害には遭っていません。が、もちろんその現場にはいました。こわかったです…」
ぬいぐるみのみなさんの証言「そう、ぼくたちは、いつもここにいたんです。ずっと平和でした…」
………
ぎん「!」
突然、何かを思った銀蔵さん。

ほら、ここにも被害者の姿が…。

はい、ぎんぞうです。
そんなつもりじゃなかったんです。
あのときは「魔がさした」としか言いようがありません。
俺はさいきん、Sのベッドで寝ることが多くなりました。
今まではいつもIのベッドだったのですが、Iの部屋は北向きで寒いのです。
Sの部屋は、俺とカヲルのために留守のときでも一日中オイルヒーターがついています。
その暖かくていい匂いのする部屋で……
ああっ、ぃやっぱり自分で言うのは憚られますが、
これも男のけじめ…きっちり見届けてやってください。
そう。あの日おれは、心地よい寝場所をつくるため、Sのベッドの枕の手前を
手で少し掘りました。こうすると、程よくその場がへこんで、体が落ち着くのです。
ところが、それがいけなかった。
「ザッザッザッ……」とリズミカルな音。
こ、これは、トイレに入ったときの行動と同じ!
愕然とするおれ!
そのとき!
「うわぁーっ!めっちゃうんこしたい!!!」
そのときの俺は、たぶん本能のみに突き動かされた、いわば「心身妄弱状態」

気付いたときには、プリプリのいいうんこが三本!ほかほか!
ど、どうしよう。
とりあえず隠そう。
その夜に着るため、枕元に畳んで置いてあったSのパジャマをうんこにかぶせました。
そして、そばにあったジュピター(うさぎのぬいぐるみ)とマティアス(同じく)は、
そのパジャマに巻き込まれるようにしてうんこのうえに!
ご、ごめん!でも、俺はもうここから離れなきゃいけないんだ!
だっ!とベッドを飛び降りてリビングを鳴きながら歩き回るおれ。
ここは恥をしのんで一刻も早くかぞくに知らせなければ。
かぞくは「ぞうくん、どうしたのー?眠いねぇ」などといいながらおれを撫でます。
そうこうしてるうち、うんこのことは忘却の彼方へ…

「なんか臭くない?」
しばらくして、ヒトが騒ぎ出しました。
「でも、トイレきれいだよ~」
などとのんびりした会話が交わされたのち、Sが部屋で悲鳴をあげた!
なにごとだ!と駆けつけたおれの目に飛び込んだのは、さっきのうんこ……
ごめんね。S、パジャマさん、うさちゃん、ふとんさん…

パジャマと布団カバーはすぐに洗濯機へ
2人のうさちゃんはSが手洗いした。臭いがつかなくてヨカッタ。

ごめんなさい。。。
でもS、おれのうんこを「ポイ太くん」で取って、大事そうに持ってたね。
うんこでも、おれのだったら可愛いんだね。かぞく、大好き


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ありがとう
むしろもう、笑うしかないみたいな。
「リビングを鳴きながら歩き回る」様子は、思いだしても
可笑しいです。
次がないことを願っています!