まるたんのことを書きはじめてから、毎週この記事を読んでくださる方がいて、
私たちは最近、まるたんのことをよく話題にします。
「あれ、まるたん好きだったね」
「夕方はいつも、緑の椅子の上で寝てたね」
「投げるとくわえて戻ってきた消しゴム、ピンクと薄紫がいちばん好きだった」
などと、まるたんのことを思い出して、楽しかったこと、悲しかったこと、色々な
まるたんの様子を思い浮かべています。
「強制給餌」……イヤな言葉です。
「チューブを駆使して……」と言っても、もう少し優しく上手にしてほしいと思いました。
鼻から入れられたチューブの中を、流動食がポンプで押されてまるたんの胃の中に
入っていきます。
あまりのつらさに、まるたんは治療台の上でおしっこをしてしまいました。
でもそれは、「漏らしてしまった」のではなく、不快感を表すための抗議にも似た行動でした。
その時のまるたんのおしっこは、動物園のトラやライオンの檻の前に漂っているような、
強烈な臭いだったのです。
すのこ状になった金属の台でした。きっと、そんなふうにおしっこをしてしまう子が
他にもたくさんいるのでしょう。
すのこの下にセットされていた、同じ金属のトレイに溜まった金色のおしっこが、
照明を反射してキラキラしていました。
こんな悲しい情況なのに、なんてきれいな色……。
そうしてまるたんが苦しい「食事」をしている間に、その前に採血した結果が出てきました。
25項目ほどの検査結果のうち、正常値の範囲外だったのは「赤血球数」だけでした。
赤血球の数がやや少ない。
担当医師の評価を書き込む欄には、赤いボールペンで
「貧血気味」
と、ただそれだけがありました。

貧血気味なら、貧血に効くお薬や点滴をすればよいのではないか。
「肝リピドーシス」とは、「脂肪肝」のことです。
肝臓が悪くなっていることがわかる項目はどれなんですか……?
院長に訊ねることはできませんでした。
はじめての病気。
つらそうな給餌という治療。
私たちは、まるたんと自分たちの情況にただオロオロしてしまい、何もできませんでした。
まるたんは、そんな私たちの様子を見て
「しかたないなあ」
と、思ったのかもしれません。
あるいは、白衣を着ている人たちの横暴な行為にあきらめの気持ちが生じたのか、
大人しく、じっとして給餌が終わるのを待ってくれました。
ペースト状の中身が入った高価な缶詰を渡され、初めての「治療」は終わりました。
待合室の隣のトリミング室では、大きな犬が台の上で毛をカットされているところでした。
「まるたん、わんわん見ようか」
まるたんを抱っこして立ち上がり、ガラスの向こうの犬を見せました。
まるたんの深いグリーンの瞳が、大きな犬の姿をとらえていました。
『この治療はいつまで続くんだろう』
私たちは三人でぼんやりと犬を見ながら、早くもとに戻りたいと思っていました。
夜8時まで診察しているこの病院に、仕事を終えてからまるたんを抱っこして、
「強制給餌」をしてもらうために通うことになりました。
まるたんが元気を取り戻すことなく死んでしまうなんて、その時には思ってもいませんでした。
アップが月曜日になってしまいました。
土曜日に来てくださった方、すみません。
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☆
りゅうたろうくんも強制給餌をしていたんですね。
でも、カスタードクリームに混ぜて、大好きなそらまめさんが
口に運んでくれたんですから、きっと栄養になったと思うし、
喜んでくれたんじゃないでしょうか。
タムロンのトップのそらくん拝見しました~。
いつもと違うところで見ると、表情もちょっと変わってみえるから不思議です。
うず兄のうしろ姿、ものすっごく可愛いです(>_<)
フリーマーケット、近くだったら行ってみたかったな