日向ぼっこで暑くなって、カーペットの上に落ちた銀たん。
右手のそばに、小さいひなたが遊んでいます。

俺もガキの頃は、こういう光を追っかけたりして遊んだな・・・

……いや、今でもじゅうぶんベイビーだから!

子ねこの頃って、無邪気でいいよな
なんでも夢中で追いかけてたっけ・・・

今でも鏡でピカピカすると追いかけるし、
レーザーポインタでも大フィーバーしてるでしょ、ベイベエ!

あ~、なんか俺、寂しくなってきちゃった

そうだね、桜の葉っぱが赤や黄色になってきたね。
銀たんは、木枯らしが吹くと寂しくなっちゃうんだよね。
葉っぱが風でさあっと散ると、きゅう~……ん、て啼いちゃうんだよね。

今日はヒーターもつけたし、もうそろそろ冬?
桜が咲くまであとどのくらい?

きゃあっ、と伸びをしながら声を出す、その直前の様子。
口をでっかく開けての欠伸は、男らしくてカッコいい。
でも、秋になると悲しがる銀たん。
きみは繊細なんだよね。
もっと寒くなったら、ふわふわの毛布に一緒にくるまって、
そうして夜空を見ようね。
みんなでベランダに出て、あったかいミルク飲みながら。
葉っぱが地面を転がって、カサカサって音をたてる。
冷たい空気の中で、耳をぴんと立てて、
きみは美しい瞳をこらす。
そこにお月さまが映って、まあるい瞳とぴったり重なる。
ツキノネコになったきみは、きんいろの満月を背にしながら、
ぎんいろの新月を鎌のように振り上げる。
天幕のような空が裂けて、そこからあの子たちが降りてくる。
両手を広げて迎えよう。
会いたかったよ、って、ぎゅうって抱きしめてあげようね。
でもそれは、もう少し先。
クリスマスの前夜のおはなし。

あのさ、今年のクリスマスにさ・・・
アレ、完結できる?
「アレ」とは、「アレ」のことですかい?

うん、
うずら王子を助け出してあげないとさ・・・
そ、それは・・・銀たんの体型次第ってことだったんですが・・・

…………。